測定原理

   

○臭気指数との相関性
 臭気指数は嗅覚測定法(官能試験法)による臭気数量化法のひとつです。嗅覚測定法は人の嗅覚を用いる方法で、その一方である3点比較式臭袋法は、公定法(環境庁告示第63号)として位置付けられ普及しています。臭気サンプルを無臭の清浄な空気で希釈して6人のパネルが嗅ぎ、臭わなくなったときの希釈倍率を臭気濃度といいます。臭気指数は、この臭気濃度を対数変換し、さらに10を乗じて得られる数値です。


式で示すと、

         臭気指数 = 10 × Log〔臭気濃度〕          

となります。
 一般に感覚量は刺激量の対数に比例することが Weber-Fechner(ウェーバー・フェヒナー)の法則として知られます。ヒトの感覚量を(Y1)、刺激量を(X1)としてそれらの関係を式で示すと、

 

Y1 = K1 × Log(X1) + b1 (k1、b1:定数)

となります。このように臭気指数はヒトの感じる感覚量に近い尺度としての意味を持っています。
 一方ニオイセンサの感度特性は、前ページのグラフに示すように、出力を(△V)、臭気成分のガス濃度(すなわち刺激量)を(X2)として次のような関係式であらわせます。

△V = K2 × Log (X2) + b2 (k2、b2:定数)

これらの一連の関係式は、ニオイセンサによって、嗅覚測定法による臭気指数に相関する数値が測定可能であることを示しています。しかしながら多様な臭気すべてについて、単一のニオイセンサの出力を嗅覚に対応させるのは至難の業と考えられます。そのため、対象臭気を限定し、その主要成分に感度の高いセンサを選択活用することにより、対象臭気に特化した、臭気指数に相関する測定器が実現できます。


ガス測定原理情報 No.2



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